季節の花#17「春の七草」
今回は花ではないのですが、「春の七草」についてお話させていただこうと思います。
時期的にこの「春の七草」は正月のおせち料理、お酒などで疲れた胃を休ませるという役割と、
冬場の不足しがちな栄養素を補う意味があり、毎年1月7日に食べる風習が昔から日本にあります。
またこの七草の由来は中国。日本には鎌倉時代に伝わってきたそうです。
本来は旧暦の人日(人を敬う日、無病息災を祈願する日。今でいうと1月終わり~2月終わり頃)に食べるそうです。
日本の新暦1月7日に食べるというのは由来からすると「ちょっと早い」ということになるようです。
ただ「七草」と「7日」、ともに「7」という数字をかけて、この日に食べるというのは、
私たち縁起担ぎが好きな日本人らしいですよね。
とはいえ、「ナズナ」や「ゴギョウ」、「ホトケノザ」は1月7日という時期はまだまだ背が低く、
茎が短いロゼット状態(越冬状態)で、見つけることが難しく、七草の天然物を探すのは一苦労するようです。
このようなものもあります!
⇩七草粥(フリーズドライ)
フリーズドライのほかには温室栽培の七草が市場には出ているそうです。
話が「七草粥」に飛んでしまいましたが、春の七草を皆さんは全部言えますか?
「セリ、ナズナ、ごぎょう、はこべら、ホトケノザ、すずな、すずしろ、これぞ七草」
聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
私も、小さい頃に父親からお風呂に入っては教えてもらっていたことをうっすらですが覚えております。七草自体は覚えていませんでしたが(^^ゞ)
また、これを口に出して言うと、どこか語呂良く聞こえますよね。
実は短歌のリズム「5・7・5・7・7」になっています。
このリズムで口に出すと覚えやすいかもしれません。
ここでチーム「春の七草」をご紹介!
① セリ
漢名:芹
効能:血流改善、保温効果や高血圧予防に良い
② ナズナ
漢名:薺
効能:ロテン、カルシウムが多く、風邪予防に効果があるそうです
③ ごぎょう
漢名:御形
効能:咳・痰を沈める効果が有り
④ はこべら
漢名:繁縷
効能:整腸作用、産後の浄血にも用いられています。
⑤ ホトケノザ
漢名:仏の座
効能:胃腸の症状改善に効果
⑥ すずな
漢名:菘
効能:かぶのこと、カロテン、ビタミンA、ビタミンC、カルシウムが豊富
腹痛に効きます
⑦ すずしろ
漢名:蘿蔔もしくは清白
効能:大根のこと、すずな同様、カロテン、ビタミンA、ビタミンCが豊富
風邪予防と美肌効果✨に優れております。
「七草粥」さすがですね。
さすが無病息災祈願に食べるだけことはあります。
また「七草粥」は体に優しく、先人の知恵がとっても詰まった料理なのですが、
あまり美味しくないという話をよく聞きます。
最近は自分好みに味付けし、食べていらっしゃる方も沢山いるそうです。
どうせ食べるなら美味しく食べたいですね。
私なら溶き卵でとじて食べたいです(´・ω・)
余談はさておき、
昔の「春の七草」は今とは全く違っていたようです。
「米・あわ・キビ・ヒエ・ゴマ・小豆・ミノ」これぞ春の七草!?
短歌のリズムで・・・とはいきませんね。
とはいえ
七草粥というよりは「七穀米」になりそうですね。
最後におまけ
「秋の七草」というのもあります。
「ハギ・おばな・くず・なでしこ・おみなえし・ふじばかま・ききょう」の七草
写真は掲載していませんが「秋の七草」はどれも綺麗な花が咲きます
春の七草のように無病息災などを祈願するものではなく、
「秋を見て楽しむ」「風情を感じる」に特化した風習のようです。
このように「春の七草」「秋の七草」一つをとっても、昔から人は自然とのつながりを大切にしてきたことが強くうかがえます。
西暦も2019年になり、更に加速度的に進化する情報化社会で“便利”を手に入れる一方で、
人と自然とのつながり、自然の恵み、大地への感謝など薄れていくことはしょうがないことなのかも
しれませんが、花を取り扱っている花業界の私たちだけでも、これからも皆様へ発信していきたいと強く思います。
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