28 「デルフィニウム」

和名:大飛燕草(ダイヒエンソウ)

科・属名: キンポウゲ科 デルフィニウム属

英名:LarkspurDelphinium

原産地:ヨーロッパ・北アメリカ・アジア周辺

咲期:4月~6

花言葉:高貴・福をもたらす・清明





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「デルフィニウム」

真っ青で上品なフォルムをもつ「デルフィニウム」

名前を知らない方も、実際に見ると見たことある方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。一般的にデルフィニウムというと青のイメージが強く私たち花屋でも7割は青、2割が白、1割がピンクというような使用頻度になります。春から初夏が最盛期ともあり、この時期の花屋ではよく見かける品種です。本来は毎年花を咲かせる多年草ではあるが、日本の気候には合わないようで、夏を越せずに終わる場合が多い。ご覧の通り、背丈が高い花で、大型のアレンジメントや、生花スタンドなどでよく使用されます。ウェディング装花でも、サムシングブルーとしての役割を果たしているのを見かけます。また色を青ですので慶弔どちらの用途でも利用ができ、この時期の切花として広く利用されております。ただ日本特有の高温多湿の気候にデルフィニウムは弱く、処理をしっかりして使用しなければ、水落ちして、お客様に迷惑をかけることもまれにある花で、花屋としては気を遣う花でもあります。

花びらは芯の先にたくさんの房状に花をつけていきます。

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名前の由来

つぼみの状態がイルカに似ているということでドルフィン→デルフィニウムという説もありますが、日本では燕に似ているとされたために「大飛燕草」と名付けられました。

私的にはつぼみの姿がイルカの顔に見えました!

 



 

 

 

花言葉

 

高貴・福をもたらす・清明

 

高貴

たくさんの花が開いた姿はとても美しくありながら、派手ではなく、どこか品を感じさせます。花嫁が選ぶ人気な花だけありますね。また青という色あいながら、他の花との相性も抜群で、

いろんなアレンジができ、フローリスト一人ひとりで仕上がりは千差万別。

 

 

福をもたらす

デルフィニウムの容姿からきているこの花言葉、フリフリした花びらがまるで、周りに幸せを振りまいているような姿だからだそうです。また和名で「飛燕草」と呼ばれているように、「燕が家に巣を作るとそこは幸せが舞い込む」とジンクスとして言われているように、同じようにデルフィニウムも福をもたらすとされています。

 

清明

デルフィニウムの青は、他の青の花とまた違う透き通った青が印象的です。グラデーションがかった色あいは他の花では真似できないものです。まさに清く明るく・・・清明という花言葉にふさわしい花ですね。

 

 

デルフィニウムのブーケ
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デルフィニウムはウェディングブーケとして人気

上で記したようにウェディングシーンでは「サムシングブルー」としてデルフィニウムがよく重宝されています。

※サムシングブルー・・・サムシングフォーの1つ。

サムシングフォーとは結婚式当日に

「何か新しいもの」

「何か借りたもの」

「何か古いもの」

「何か青いもの」
この4つを取り入れて結婚式をすると永遠の幸せが続くとされるヨーロッパ地方の言い伝えです。その中の「何か青いもの」というもので「青い花=デルフィニウム」

がウェディングブーケに使われています。

 

 






イルカと少年の話

デルフィニウムには古い言い伝えが残っています。

 

昔、ギリシャに一人の少年がいました。少年は海で漁ををしていたところ、突然の波に飲まれ、溺れてしまいました。そこを通りすがりのイルカたちが助け、少年はなんとか一命をとり止めることができた。それ以来、少年はイルカと絆を深め、一緒に過ごすことが多くなりました。

時を同じくし、港では漁の不漁が続きました。港の漁師たちは最近海沿いを泳いでいるイルカたちが不漁の原因だと決めつけ、イルカを一斉捕獲しようと計画を企て始めました。その話を知ってしまった少年はすぐさまイルカ達に別れを告げ、遠くにすぐに逃げるように伝えます。

港の漁師たちは、その少年の行為に腹を立て、少年を海に投げ込み、死に追い込んでしまいました。adec32fed5210a3b6c107c64246e3aab_s

死んでしまった少年の魂は悲しみで海をさまよい続けていましたが、一緒に遊んでいたイルカたちが少年の魂を救おうと海の神に頼んで、少年の魂をデルフィニウムという青い花に生まれ変わらせたといいます。

 

デルフィニウムという名前や、花のつぼみがイルカに似ているという由来のお話です。

少年の優しさと慈しむ心、愛の象徴としてデルフィニウムに姿を変えたというちょっと切なくもイルカと少年の絆が生んだ温かい話ですね(^_^)

 

この花図鑑ブログでこのような言い伝えの話を私もいくつか紹介ししましたが、その中でも一番好きな話です。

 

 

 

 

デルフィニウムの種類

 

エラータム系
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長くびっしり詰まった花弁が特徴的。長さも1メートルを超えるものが多く

ボリュームがある品種。ほとんどが八重咲きで色も豊富。大きなアレンジメント

などによく使われる。

 

 

ベラドンナ系
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細い茎にまばらな一重咲が咲き誇る。ボリュームは写真を見てもわかるように

若干エラータム系より劣る。

 


シネンセ系
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スプレータイプのデルフィニウム。

エラータムやベラドンナと異なり、小花になるので、

色んな花との相性が○

ウェディングブーケなどに使われるのはこの品種。

長さは極端に他の品種に比べて半分の50㎝程度。

色も豊富にある。

 

 

 

 

こちらはピンクのデルフィニウム

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次回の花図鑑は「コスモス」を予定してます。