#31 菊(マム)







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和名:菊・マム(キク)

科・属名:キク科 キク属

英名:マム(Mum、Chrysanthemum)

原産地:中国

咲期:9月~11月

花言葉:高貴・高潔・思慮深い・高尚(上品)







今回は菊(マム)をご紹介いたします。
菊と聞いてどんな花か分からないという人はまずいないでしょう。
そのぐらい私たちの生活に浸透している花と言えます。

ただ菊というと、マイナスイメージ(お葬式・昔の学園ドラマなどによって)が
先行してしまう傾向にあり、ちょっと可哀そうな花とも言えます。
一方で菊の種類はとても多く、色も形も様々でデザインフラワーとしても
人気があります。特に新元号になった今年5月には、某有名花屋さんが
新元号「令和」を記念して菊だけのブーケを限定販売し、即時ソールドアウトしています。
花業界でも菊を盛り上げようという雰囲気になっているように感じますね。

そんなポジティブキャンペーン中の「菊」を私たちも一緒に盛り上げたいと思います。









菊っていつから日本に??
菊の歴史はとても深く、奈良時代に中国から「薬草」として渡来したのが始まりとされています。また菊は邪気を払い、長寿を授ける花として昔から、祝いの席に重宝されていました。特に五節句の一つ「9月9日 重陽の節句」は菊を愛でる節句とされ、その時期は各地
の神社では菊の装花がなされています。
この「重陽の節句」。平安時代の貴族の宮中行事が始まりで、当時の貴族は、9月9日の
前夜に菊の花に綿をかぶせ、翌朝、綿に付いた菊の夜露を肌に塗って美を保っていたと
言います。美肌効果としても期待されていたというのも面白い話です。

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その後は、江戸時代に入ると、菊栽培も盛んになり、多数の品種が日本で生み出されるよう
になっていきます。この江戸時代後期には逆に欧米諸国に送られるようにもなりました。
またその海を渡った日本の菊たちも、さらに品種改良を欧米でされ、日本に「洋キク」と
して生まれ変わり、入ってきました。
菊を国花としている国が、クウェート、エクアドルの2国。日本は国花ではありませんが、
皇室の家紋でもある「菊花紋章」が広く国民に浸透しているためによく国花と間違えられます。ちなみに日本の国花は「桜」です。










天皇家と菊
そもそもなぜ天皇家は菊家紋なのか?そのルーツはあまり語られることはありません。
ルーツを辿ると鎌倉時代まで遡ります。時の天皇である後鳥羽上皇によるものだという説が一番濃厚です。後鳥羽上皇という人は、天皇でありながら鍛冶が好きで、上皇自らが刀を打つこともあったそうです。またそれだけにとどまらず全国各地の名のある鍛冶職人を集め、刀を作らせることもしていて、自分の打った刀や職人に作らせた刀にはこの菊の紋「菊花紋章」を銘とし、後鳥羽上皇がプロデュースした刀だということの証にしました。
そして菊花紋章が入った刀は戦で戦果を挙げたものに贈ったり、味方に取り入れたものに味方の証として贈ったりしたそうです。この時代は戦乱狂気の時代で、争いが絶えない時代であり、敵味方を区別するための重要な証といった役割になっていました。
その後、後鳥羽上皇は承久の乱で失墜してしまいます。そして室町時代、戦国時代、江戸時代と時は流れ、時代は明治。幕末の尊王思想が盛り返して、倒幕運動がおこり、明治維新。

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庶民のなかでは「菊は咲く咲く、葵は枯れる」といった歌も流行り、天皇の象徴である菊が咲き誇り、徳川家が衰退していく時代を謳っていました。鎌倉時代から何百年経った時代にも菊花紋章の象徴は忘れられていなかったというのも、菊花紋章が天皇の象徴として心に残っていた証拠なのでしょうね。ちなみに後鳥羽上皇は菊を紋に用いた理由は、菊の姿や形など気に入っていたからとされています。











菊はなぜ「菊」という名前なのか?名前の由来
窮まる(きわまる)という言葉が語源とされています。きわまるという意味は行き詰まる(終着)という意味で、菊が一年の最後に咲く花ことから由来しているそうです。
ちなみに題名に「菊(マム)」と表記していますが、実は花業界ではマムという英名を基本は使うようにしています。それはなぜかというと、菊というとどうしてもお葬式のイメージが先行してしまうからです。マムというと「お母さん」という意味にもなりますし、英名ですので、イメージがポップになるからです。一般の方が「マムください」というと「この人、通だな」って感じてしまいます。(笑)









ところで菊が、なぜお葬式で使われるようになったのか?
菊=お葬式。マイナスイメージの一番の要因であるものですね。
このイメージが定着した歴史は実はそんなに古くなく戦後の日本で生まれました。
戦後になって菊の栽培が日本で広まり、1年中手に入る花になりました。
菊自体、元々花持ちに優れてており、水にさえつけておけば長く持つことから広く普及しました。そんな中、お葬式というのは、突然起きる儀式であり、突然の需要に対応できる花、入手しやすさ、しかも長く持つという利便性がお葬式ニーズにマッチし、お葬式でよく使われるようになったそうです。菊の花言葉も「高貴・高潔・高尚」といったプラスイメージですし、決して花言葉が縁起が悪いとか、菊は亡くなられた人に贈るという習慣などがあったわけではないのであしからず。
このマイナスイメージを払拭するべく、色とりどりのデザイン性の優れた菊(マム)が続々誕生しています。






花としての菊のお話(ここからが本題!)
菊という漢字は中心に向かって巻き込むように咲く花の形を、
手のひらに米をおいて握った様子からだと言われています。(ちょっと無理があります(笑)
菊は上でも述べたように、持ちが良い=環境変化に強いとも言えます。日本特有の温暖湿潤気候でも十分に育ち、栽培環境が適していることもあり、日本に定着しました。日本で生み出された菊(約350種以上)を「和菊」。ヨーロッパで生み出された菊を「洋菊」(2万種以上)と園芸上は区分します。









菊の種類は大まかなに分けて3つ


大菊・・・花の直径が8㎝以上(菊の展覧会などで展示する大輪の菊)

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中菊・・・花の直径が3~8㎝未満(主に仏花や切花で使われる
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小菊・・・花の直径が3㎝未満(盆栽や鉢物などで楽しむ菊)
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菊の品種


スプレーマム
小さな花が沢山咲き、ボリュームがあります。
色の種類や花弁の形、咲き方など豊富な種類が魅力

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ピンポンマム
まん丸のカワイイ菊。ブライダルフラワーとしても人気です。

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ディスバッドマム
余分な花は間引いで中心の花に栄養をやることで大きくなります。
開いた形で出荷されるのでネットに被って入荷します。
開いていますが長持ちする菊の種類です。お値段は少し高め
右に少しだけ映っているのはレインボー染めのディスバッドマム

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実は菊の仲間たちを紹介!

①アザミ(キク科アザミ属)

アザミ










②アスター(キク科エゾギク属)
アスター









③タンポポ(キク科タンポポ属)
タンポポ










④ダリア(キク科ダリア属)
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⑤エーデルワイス(キク科ウスユキソウ属)
エーデルワイス









⑥ガーベラ(キク科ガーベラ属)
ガーベラ









⑦ガザニア(キク科ガザニア属)
ガザニア









⑧ヒマワリ(キク科ひまわり属)
ヒマワリ









⑨リアトリス(キク科リアトリス属)リアトリス









⑩カモミール(キク科カモミール属)
カモミール


キク科の属種は約950種あり。さらにその種類は2万種あるとされます。
また花以外にもレタスやゴボウも実はキク科というのも調べていて驚きました。
今回は10種程度のご紹介だったのですが、どれも形が異なり、キク科と言っても
十人十色、千差万別で、それぞれに特徴があります。









~エトセトラ~
菊を使ったフラワーアレンジメント集
贈られた花に菊が入っていても変な気を持たれなくて大丈夫です😎


どこに菊が入っているのか探してみてください(^^)

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菊のアレンジメント&ブーケはいかがでしょうか。可愛いですよね。
以前の菊のイメージも払拭できるのではないでしょうか?
菊と言っても他の花にはない菊独特の魅力を感じて頂けたのではないでしょうか?