#38 水仙(スイセン)




科・属名:ヒガンバナ科スイセン科

和名:日本水仙(二ホンズイセン)・雪中花
学名:Narcissus(ナルキッサス)
英名:ダフォディル

原産地:地中海沿岸南部

咲期:12月~4月

花言葉: 白:うぬぼれ・自己愛
     黄:もう一度愛して欲しい、私のもとへ帰ってきて


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2020年の1月もいよいよ終わろうとしています。
皆様にもやっといつもの日常が訪れているのではないでしょうか。

花に携わる仕事をしている者にとっては水仙が市場に出始めると「春はもうすぐかな」と季節の訪れを感じるものです。特に水仙のほのかな甘い香りは天然香料として、香水の原料として幅広く使われていますし、香りをかぐことで、この上なく清々しい気持ちにさせてくれます。


水仙の原産地について
日本人にとってこのシュッとしていて、凛とした水仙は活け花などによく使われている為、洋の花というよりは和の花のイメージ強いのでないでしょうか。実際に原産国はヨーロッパの地中海南部沿岸~北アフリカになります。
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この自生している画像を見ると北アフリカ感がありますね(笑)

日本には古く平安時代末期に中国から渡来。当時の古い書記などにも数多く記載されている花になります。
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「水仙」という名前の由来
日本では別名「雪中花」という名前で呼ばれており、花が少ない冬の花の代表選手的な存在で重宝されております。日本には室町末期に渡来してきたということもあり、中国読みである「水仙」をそのまま音読みでスイセンと呼ぶようになりました。
中国ではもとより水仙と呼ばれていたわけですが、
その由来というのは「水のほとりに咲く花」から「水の仙人」と呼ばれるようになったそうです。そもそも「仙人」というのは中国の古典内に存在しており、ほかにも天に住む仙人[
「天仙」と、地に住む仙人「池仙」、水に住む仙人「水仙」と三つの仙人がいます。
その中の水仙をイメージした花ということなのですね。
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英名「ナルキッサス」の由来はギリシャ神話「ナルシス」より
ナルキッサスという名前、ある言葉に見えませんでしょうか?
ナルキッサス ナルキッサス ナルキッソス  ナルキッソス ナルシッソス
ナルシッソス ナルシソス ナルシソス ナルシスソ ナルシスソ ナルシスト!

そうです「ナルシスト」の語源にもなったお花なのです。

皆さんもご存知だと思われますが、ナルシストという言葉は「自己愛」という意味です。
どうしてこの水仙がナルシストになったのか.....それを紐解くために
ギリシャ神話「ナルシス」の話をしましょう。

ナルシスは神話に登場する美少年の名前です。ナルシスは水面に映る自分のあまりに美しい容姿に自ら恋焦がれ、毎日毎日ひたすら水面に移る自分に見とれ、眺め続けていました。
やがてナルシスは食事もとることもせず、ひたすら水面の自分を見ていたことで憔悴しきってしまい、命を落とすことになります。その後、ナルシスがいた場所には一輪の花が咲きます。花首が水面をのぞくナルシスのように傾き咲くことからナルシスの化身としてその名がつけられたといいます。
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水仙の花言葉
水仙の花言葉は色で変わってきます。
最初に記載したように
白色:うぬぼれ・自己愛・報われない恋
黄色:もう一度愛して欲しい、私のもとへ帰ってきて

上記のように黄色の水仙の花言葉には由来があります。
こちらも別のギリシャ神話にちなんで付けられました。
その話というのは・・・

ベルセポネとデメテル
ギリシャ神話のゼウスの姉にあたるデメテルの娘「ベルセポネ」は、冥界の王ハーデスに一目惚れされ、自らの国(黄泉の国)に無理やり連れ去られることになります。連れ去られるてしまうベルセポネはその時に手に握っていた白水仙の花を落としてしまいます。その後、落ちた白水仙はなぜか黄色に変化したようで、それを見た母、豊穣の女神デメテルは「私のもとに帰ってきて」という想いからこの花言葉が黄色の水仙についたようです。
また、実は「報われない恋」という花言葉も持ち合わせているこの水仙ですが、こちらもベルセポネに恋をし、失恋した冥界の王ハーデスの心情をくみ取ったものになったもののようです。
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ここで大切なことが一つ。
綺麗な花にはトゲがあるように、水仙には毒があります。ヒガンバナの仲間だと言えば納得いただけるものと思います。
特に水仙の葉と根にはアルカロイドという毒があり、下痢や、頭痛、汗、嘔吐吐き気症状をおこしてしまいます。特に葉っぱに関しては野菜のニラの葉に似てますし、根っこは玉ねぎに似ていることから、毎年数十人の方が誤飲してしまっているそうです。
特に水仙は花が終わり葉だけになるとニラと見分けがつきません。ここで見分けるコツというと「匂い」です。ニラの葉はニラ特有のにおいがしますが、水仙の葉はニラ特有のにおいがしません。間違って炒めて食べないように気をつけてください!


水仙の種類って??
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上記の水仙は典型的な水仙種の写真


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↑ラッパ水仙
こちらの3枚の写真はよく聞く水仙の一つ「ラッパ水仙」
三枚目の写真を見ていただくと分かり易いラッパ型ですよね。

違いというと目立って形以外に特徴がないのですが、
真ん中の部分は「副花冠」と呼ばれます。

この副花冠が外側の花弁より出ていれば「ラッパ水仙」
副花冠が大きくそとの花弁より短い場合は「水仙」と分けられております。



その他に
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↑房
咲きの水仙
いわゆるスプレータイプの水仙
一つの茎からいくつかの花が同時に付く品種もあります。
ボリュームがあります。ただし一輪一輪の花の大きさは小さくなります。



水仙を使ってガーデニング!
水仙という植物は球根植物のなかでも育てやすく、植えて放っておいても花が咲きます。
しかも3年~4年はそのままでもだいたい綺麗に花を咲かせる植物です。
そんな水仙ですが、地に植えるだけではなくガーデニングでも重宝されています。
ガーデニング品種の花はだいたいが地を這うようなスタイルだったり、丸や曲線に目が行きがちです。その中でも水仙のシュッとした葉や茎がアクセントになり、面白いガーデニングになったりします。
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水仙が入るといっきに和の庭園テイストになります。
また定番の苗物と合わせて寄せ鉢にしても良い感じに仕上がります。
器など探しに、近くの陶器市に出かけるのも楽しいものですよ。


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一輪の水仙(房咲き水仙)も趣がでます。


水仙という花は探そうと思えば、意外に簡単に見つけることが出来ます。わざわざ買うということはあまりないと思いますが、一本の水仙だけでこれだけ魅せることが出来る花というもの珍しいですね。一輪挿しの器を買って、一本飾るだけでその場の雰囲気を変えることが出来るでしょう。機会があれば、ぜひ花と触れる機会にされてみてください。
ただし、過度の接触はしないでください。
そして触った後はせっけんで手を洗ってくださいね!