♯54 グロリオサ


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科・属名:イヌサフラン科グロリオサ属(キツネユリ属)
和  名:狐百合(キツネユリ)・百合車(ユリグルマ)
学  名:Gloriosa
英  名:Glory Lily・Flame Lily

原  産  地:熱帯アフリカ~熱帯アジア
咲  期:7月~9月
花  言  葉:「勇敢」「栄光」「情熱」






【1】グロリオサの名前の由来

日本には明治時代に渡来。
その後昭和中ごろから市場で出回るようになりました。
以前はユリ科に分類されていたので、ユリ科の花として
紹介されることも多々あります。



ラテン語で「見事な」という意味の言葉
『gloriosus(グロリオーサス)』が語源となり、
燃える炎のような鮮やかな色合いと豪華な花姿に由来します。

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英名の「Glory Lily(栄光のユリ)」「Flame Lily(炎のユリ)」
もこの花姿が由来となっています。

和名の「狐百合(キツネユリ)」は
ウェーブがかった花びらがユリに似ていて、
キツネの顔のように見えることから名付けられています。








【2】グロリオサの花姿の特徴


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グロリオサの最大の特徴といえば花びらが
反り返る様に大きく開いた、変わった花姿。

また、放射状に反りあがる6本の緑色の雄しべ。
柱頭は3つに裂け、直角に曲がる雌しべ。
どちらも珍しく、見る人に強い印象を与えます。

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ツボミの時は下向きですが、開花するとだんだん
上向きに反り返っていきます。
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赤色と黄色のグラデーションが色鮮やかで
炎のようにも見え「炎の花」と呼ばれます。
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グロリオサは葉にも特徴があります。
葉先がくるんと巻きひげになっており、
周囲のものに絡みついて伸びます。
そのことからツルユリとも呼ばれています。

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また、グロリオサの球根には
コルヒチンという人体に食中毒を起こしてしまう
成分が含まれています。
ヤマイモやショウガに形がよく似ていることから
誤食してしまい、食中毒で死亡する事例が発生しています。
球根の取り扱いには十分に注意が必要です。









【3】グロリオサの花言葉


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『栄光』『勇敢』『情熱』

燃えるような鮮やかな色をもち、華やかで
艶やかな花姿が由来となっています。

英名の「Glory Lily(栄光のユリ)」も
由来の一つでしょう。

就職祝いや合格祝い、結婚祝いや
節目の誕生日や記念日など、さまざまなお祝いでも
花言葉を活かしてグロリオサを入れた
花束をプレゼントすると良いですね(^^)









【4】エキゾチックな花、グロリオサ


グロリオサの花色は、白・赤・黄・ピンク・オレンジ
などの暖色系です。

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そのため、お祝い事の花束やアレンジメント、
結婚式のメイン装花にも使用されることが多く
中心的存在で華やかです。

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また、赤色やオレンジ色が情熱的な温かみのある
色である事からクリスマスの時期のアレンジメントに
使われることが増えてきました。

キリストの復活を讃えて歌われる「Gloria(グローリア)」は
栄光の賛歌とも呼ばれ、「栄光」の花言葉をもつ
グロリオサはまさにクリスマスを象徴する花といえるでしょう。

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【5】飾り方の紹介


〇活け花

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存在感が強く、主張も強めなグロリオサは
活け花に使用されることも多く、
エキゾチックながら日本の和の雰囲気にもよく合っています。





〇花瓶活け

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グロリオサのみを花瓶に活けるだけでも
鮮やかでとっても華やかになりますね。

オンシジュームや小花、葉物を添えるのも
より一層華やかになります。
ユリに似た分類の植物であるため、
切り花としては比較的長く楽しめます。


飾る際は、花粉が洋服に付くこともあるので
あらかじめ取っておいてください。




〇鉢植え

もともと熱帯地域生まれの植物のため、
耐寒性には弱く、耐暑性は強いです。

4月~5月に植え付けをすると、7月~9月に開花します。
育つ過程で、ツルが長く伸びるため、支柱を立てましょう。

上記にも記載した通り、グロリオサの球根には
毒性の強い成分が含まれています。
普通に栽培、切り花として鑑賞する分には問題ありません。
誤って口にしないように気を付けましょう。











【6】終わりに

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今回はグロリオサについて紹介しました。

グロリオサには見てわかる特徴がたくさんありますね。
花の形はもちろん、雄しべ雌しべや、葉っぱの先端も
他のお花にない独特な魅力がたくさんあります✨

ツボミの状態から一転、反りかえる花弁は
グロリオサの美しさそのものです。

高級感があり、1本あたりのお値段は少しお高めですが
お祝いにはぴったりのお花なため、切り花としては
年中出回っています。
※時期により増減します。


グロリオサの産地で一番有名なのは
高知県三里産のグロリオサ。
全国生産量一位で、全国シェアの70%を誇っています。
なかでも、「ミサトレッド」というこの地区の名を冠する
品種が人気で、
高知県で開催されている
「高知龍馬マラソン」では優勝したランナーには
栄光の証としてグロリオサの花冠を贈呈しているそうです👑



身近な方のお祝いでお花を贈る際には
ぜひグロリオサを選んでみてください。