#67 紫苑(シオン)  


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科・属名:キク科シオン属(アスター属)
学  名:Aster tataricus
和  名:紫苑(シオン)
別  名:鬼の醜草(オニノシコグサ)、十五夜草(ジュウゴヤソウ)
英  名:Tatarian aster、Aster tataricus
原 産 地:日本、朝鮮半島、中国、シベリア
咲  期:9月~10月
花言葉 :「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」






【1】紫苑の名前の由来

まず学名の「Aster」の由来から紹介していきます。
ギリシャ語で「aster」は「星」という意味があります。
これはシオンの花弁が、
放射線状に横に開く見た目から由来しているといわれてます。
この花の咲いた様子が、
キラキラと輝く星のように見えたのでしょう。
そこで星にちなんだ学名となったのでしょう。


薄紫紫苑



次に、和名の「紫苑」は、花弁の薄紫から由来しています。
また、「苑」は紫の花が株にたくさん集まって咲く様子を、
「苑」と表現したことが由来しています。
広い場所や草木の生える土地をあらわしています。



 



【2】紫苑の花姿

 シオンの花の色は白・紫・薄紫で、
夏の暑い日差しのなか寒色の涼しげな花の色が特徴的です。


花は3センチほどで大きくはありませんが、
たくさん集まって咲く様子は品があります。
放射線状に開く花は花弁の少ないタンポポに似ています。
学名で星と表現されるように、
星のように美しい形をしています。


青空シオン






【3】紫苑の花言葉

「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」

『今昔物語集』の中におさめられた
父の死をいたむ兄弟の物語に由来しているといわれています。

平安後期の説話集に父が亡くなり、
墓参りを欠かさなかった兄弟がいました。

しかし、仕事が忙しくなった兄は、
忘れ草(カンゾウ)を父の墓前に植え、
次第に墓参りをしなくなりました。
それとは反対に、
弟は墓前にシオンを植え、
雨の日でも欠かすことなく毎日墓参りを続けました。

このことを知った鬼が、
健気な弟の方に予知の能力を授け、
その力をえたおかげで、
弟は生涯幸せに暮らせたというお話です。


城とシオン

 
この物語の父を想う弟の気持ちから、
「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」
という花言葉になりました。

そして、この話からシオンは鬼の醜草(オニノシコグサ)
という別名がついています。






【4】紫苑の知識

シオンはキク科の植物で、
開花時期は9月~10月(最盛期は9月)です。

冬に地上部の茎葉が枯れつつも、
春になると芽吹いて、秋に花を咲かせる宿根草です。
その草丈は、180センチほどまで成長し、
主に観賞用として栽培されています。


紫シオン


シオンの根や根茎を乾燥したものは、
咳止め・痰の除去・利尿作用があり、漢方に使われます。
生薬名も同じで「紫苑」です。


白紫苑








【5】飾り方の紹介

シオンには様々な種類がありますが、
切花にオススメなものもたくさんあります。

ブルー系の涼しげな色は切なくもあり、美しいですよね。

9月頃がシオンは美しく見ごろといわれています。

背が高いシオンとススキを一緒に飾ると見栄えがよく、
秋の夜長を過ごすお部屋に飾ってみてはいかがでしょうか。

十五夜の時期は特に美しいので
月と一緒に観察してみてくださいね。

シオン花瓶







【6】終わりに

今回はシオンについてご紹介しました。
真っ直ぐにのびた花茎が上の方で枝分かれして、
たくさんの紫色の花を咲かせてくれます。

とても丈夫で育てやすい宿根草なので、
お月見用にお庭に植えてみてはいかがでしょうか。